小樽のこと
兄九歳、妹まもなく四歳を連れ、汽車で小樽へ旅行へ。外国人の二人が隣に座った。兄はそれだけで興奮し、妹の頬を押さえ、口を大きく開いてワァ!とやりおだっていたが、妹は女だからか、冷静で、お兄ちゃん歯、汚い、歯磨いた?と言っていた。
兄がかぶってきたロシア帽子。ホワイトイルミネーションを見せに大通公園へ行った時、ミュンヘンクリスマスで買ってあげた。それに気づいた隣の外国人が、ヘイルック!ヒズハットイズロシアン!と言っていた。兄は何て言ったかも気づかずに、外国人に興奮していた。
妹が、ママ!おでこが、とびっきり痛いの!と言っていた。とびっきりという言葉を、生まれて初めて言ったっぽいな、と思った。
部屋からも海がみえて、4羽の黒い鳥が、灰色の海へ次々に潜っているのを、三人で観察したら、36秒も潜っていた。そのことを兄は、家庭学習ノートに、先生あのね、と日記を書いていた。
夢のなかにいるような時間だった。
2017年の出来事
あれから、兄は9歳になり、妹は来月四歳になる。
あのときの私に教えてあげたい。未来の私達は、そこを切なく思い出す事もあるけれど、それは時々で、あとは明るく暮らしていて、兄は変わらず寝るときはノーパンだと。妹は兄を好きすぎて、兄のほっぺをなめりたーい、と言っている程平和だと。
空をみる
山に、ソリすべりに行った。
雪あそびする人。見ていて飽きない。
寝ころんで、空をみたり、雪を食べたり自分の世界。
息子はソリよりも、雪を食べ歩いてる時間の方が長かった。娘はつなぎを着たまま、到着する前に寝てしまう。
雪の上に寝ころんで空をみた。
落ち着いていい気分だった。子供だった頃の気分。
晩御飯のにおいまでしてきそうにタイムスリップ。
子供のころからどうしてこんなにダメなんだろう。
家だけが癒しだった。
目の中に、キラキラ雪みたいのや、アメーバみたいのをみた。
息子も坂の下でそうして空みていた。
「この青空、夏の空だとおもってみたら夏の気分だね。」
私と子供にとって、いつも通りの当たり前の日々が、突然変わってしまって、だけど息子は知らずに無邪気にいつもの一日を今日も過ごしているのが、堪らなく辛い。ひとりでその笑顔を守っていけるか怖くなる。
だけど、ひとりでと決めたら、命より大切な子供たちのために、もっと強くなろう。
今日の雪、みんな結晶で降りてきた。
結晶を観察。みんな違うかたちでみんなきれいだ。
よく考えたら日々ドタバタ
クヨクヨしてる暇がない。
じっくり、クヨクヨジメジメ考えたいのに、
考えはじめたら、
「トイレに付いてきて~、お菓子開けて、ジュース溢した~ハサミどこ~?な、ってどう書くの~?」
って息子が始まり、どこまで考えたかとまた考えはじめたら、今度は、ガスコンロやお風呂場、テーブルの上とかに行きたい娘に中断させられて。
やっと携帯ショップで説明の合間と思ったら、店員の前で「ママ鼻の下に何つけてるの~?何それー。」
とニヤニヤ顔。
(もしかして鼻くそ?)と口パクで聞いてるのに、
「鼻くそじゃないよ~何それーっ。」って声出して言うしで。
うるさい💢ってやってる間に考えることを忘れて。
さようなら幼稚園
幼稚園に三年通った息子は3月で卒園する。
私も絵本のお話先生で行くのはあと二回。
読んだ絵本、全部記録しておけばよかった。
色んなことがあった。だけどいい日々だった。
色んなことがまだあって、どちらが息子にとって
良い道なのか、まだわからない。
でも母さんだからこそ、笑っていようと思う。
2014年の思い出~2
9月に兄は6歳になり、
自転車に乗れるようになった。
10月には秋を楽しみ、
11月に妹は悪い顔をしたり歩いたり。
12月には行列のできる病院ごっこで遊び、
兄は歯が抜けた。
パンを作ったり、犬みたいにも食べてみた。
クリスマスは玄関でサンタを待ち伏せした。
空に光る鼻が見えた気がしたけど、
今年も会えなかった兄。